みなさんは「HSP」をご存じですか?
当ブログの管理者である私も「HSP」です。
メディアでも「HSP」という言葉を見掛けることが増えましたが、まだまだ知らない人も多いのではないでしょうか。
HSPに興味を持ってくれた人や、自分もHSPではないかと思っている人は、ぜひ、最後までお読みください。
HSPって生きづらいの?
結論から言えば、生きづらさを感じるかどうかはHSPさんによります。
一口にHSPと言っても、色んな特徴や、HSP気質の出方は個人差が幅広いため、一概に言えません。
HSPでも幸せな人もいますし、常に思い悩んでいる訳でもありません。
しかし、HSP由来の特徴から、生きづらいと感じる人が多いのではないか、というのが私の主観です。
私は子供の頃から生きづらさを感じ、特に人間関係に悩むことや疲れを感じることは多いです。
それでは、HSPの人が生きづいと感じる原因となりうる「HSP」について、順を追って紹介していきますね。
また、子供のHSPについて知りたい人は、こちらからどうぞ。
HSPって何?
HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略です。
日本語訳では「とても繊細な人」とされ、世間的には「繊細さん」「生きづらい人」などでも通っています。
生まれつき視覚や聴覚などの感覚が過敏で、良くも悪くも、周囲の状況から非常に多くの情報を得ます。
「HSP」は心理学で使われている言葉であり、病名や診断名ではありません。
「HSP」という言葉が初めて世に出たのは、1996年エレイン・アーロン博士著の「The Highly Sensitive Person」という一般書籍からでした。
アーロン博士の研究では、人口の20%、つまり5人に1人がHSPであると言われています。
また、HSPは特性の出方によって、さらに4つのタイプに分けられます。
HSPの4つのタイプに興味のある人は、こちらの記事を参考にしてください。
HSPの4つの特徴
HSPの特徴はざっくり言うと4つあり、「DOES」と表されることが多いです。
- D:情報を深く処理する
- O:過剰に刺激を受けやすい
- E:情動反応が強く、共感力が高い
- S:些細な刺激を察知する
具体的に説明しますね。
D:情報を深く処理する
相手の仕草、声色などあらゆる情報をキャッチして、相手の感情などを深く読み取ります。
ですので、言葉が通じない相手の気持ちまで汲み取れる人もいます。
また、得る情報が多い分、更に物事をより深く知ろうとします。熟考するため、即行動が苦手です。
- 1つの情報から10の想像ができる
- 仕事は丁寧だが、時間がかかる
- 常に自分との対話をしている
O:過剰に刺激を受けやすい
周囲の環境や人から、過剰に刺激を受けます。
普通の人には気にならない些細な音やにおい、相手の反応などがものすごく気になります。
- ネガティブなニュースや情報で、落ち込んでしまう
- 友達と楽しく遊んだ後も、どっと疲れている
- 環境の変化が苦手で、馴染むまでに時間がかかる
E:情動反応が強く、共感力が高い
自分と他者の境界が曖昧になりやすく、相手の状況が手に取るように分かります。
その反面、相手の気持ちに振り回されてしまうこともあるでしょう。
また、自分のことよりも相手のことを優先する傾向もあります。
- 周囲の人の気分に自分も左右される
- 感情移入しやすく、映画などで感動しやすい
- 他人が怒られていても、自分が怒られているように感じる
S:些細な刺激を察知する
周囲からの刺激や変化に敏感で、よく気付きます。
人には視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚と5つの感覚がありますが、それらの感覚の全て、又は一部が非常に鋭くなっています。
- 大きな音に驚いてしまう
- 職場の蛍光灯やパソコンのブルーライトでやられる
- 芳香剤や香水など、やたら匂いのキツイものがダメ
HSPと間違えられやすい病気
HSPは病気ではありませんが、中には間違われやすい病気もあります。
HSPと間違われやすい病気について紹介しますね。
発達障害
発達障害は、生まれながらにある脳の機能障害である、とされています。
HSPも生まれながらの繊細過ぎる気質ではありますが、脳の機能障害とは定義されていないため、発達障害とは別物です。
発達障害は大きく分けると以下の3つがあります。
- 自閉スペクトラム症
- 注意欠如・多動症
- 学習障害
発達障害の症状も幅広く、一概には言えませんが、主な症状は以下の通りです。
- 知的な遅れ
- コミュニケーションの困難さ
- 対人関係・社会性の困難さ
- 過集中または集中力の持続が困難
- 書字、読解、計算…特定の学習が極端にできない
HSPと発達障害について、もっと詳しく知りたい人は、こちらの記事をどうぞ。
うつ病
うつ病は精神科や心療内科で診断を受ける心の病気です。
置かれた環境、人間関係のストレスなど、さまざまな外的要因にて脳内の神経伝達物質に異常をきたした結果、発症します。
「心の風邪」と言われたりしますよね。
憂うつな気分になったり、今まで好きだったことにも興味を持てない無気力状態になったりします。
また食欲不振、頭痛、眩暈など、体にも症状が出ることもあります。
うつ病は日本人の15人に1人が一生のうちに一度は経験すると言われているほど、ポピュラーな病気だそうです。
「病気」なので、正しく治療をすれば、症状の改善も見込めます。
後天的に発症する病気なのでHSPとは全く別物ですが、ストレスなどの外的要因から発症するうつ病は、生きづらさを感じやすいHSPさんも発症しやすい病気と言われています。
適応障害
適応障害とは職場や家庭など、日常生活の中で、何らかのストレスが原因となって心身のバランスが崩れ、生活に支障が出ている状態のことです。
また、原因となっているストレスが明確であり、そのストレス源を除去してあげると、大半の人は症状が改善していくそうです。
適応障害も、うつ病のように精神科や心療内科などで診断される「病気」となっています。
症状はうつ病と似ていますが、以下のような感じです。
- 憂うつな気分
- 不安感
- 頭痛
- 不眠
普通の人もストレスを受ければ、このような症状が出ることもありますが、度を越して症状が強く、日常生活に支障があると適応障害と診断されるそうです。
うつ病と同様に、ストレスが原因で発症しやすい病気のため、HSPさんも発症しやすいと言われています。
HSPのチェックリスト
ここまで記事を読んでいただいた人の中には、「もしかしてHSPかも!?」と思われた人もいるでしょう。
以下にHSPチェックリストを紹介するので、気になる人はぜひやってみてください。
なお、このチェックリストは、高田明和氏の著書「脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法」について書かれた記事から引用させていただきました。
引用元:12個以上当てはまったら“超過敏”。HSP自己診断テスト|幻冬舎plus
- 周囲の微妙な変化によく気がつくほうだ
- 他人の気分に左右されやすい
- 痛みにとても敏感である
- 忙しい日々が続くと、刺激から逃れられるひとりだけの場所に逃げたくなる
- コーヒーを飲むとすぐ眠れなくなる
- 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
- 想像力が豊かで、空想にふけりやすい
- 騒音に悩まされやすい
- 美術や音楽に深く心動かされる
- 他人に対し、とても良心的である
- 些細なことにもびっくりする
- 短期間にたくさんのことをしなければならなくなると混乱する
- 人が何かで不快な思いをしているとき、その人が何を求めているかすぐに気がつく(たとえば冷暖房の温度を調節したり、席を替えたり)
- 一度にたくさんのことを頼まれるのは避けたい
- ミスをしたり、物忘れをしたりしないように常にチェックしている
- 暴力的な表現のある映画やテレビは見ないようにしている
- あまりに多くのことが周囲で起こっていると、不快になり神経がたかぶる
- 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
- 生活に変化があると混乱し、慣れるのに時間がかかる
- デリケートな香りや味、音、音楽を好む
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
- 何かをするとき、競争させられたり観察されていたりすると、緊張し、実力を発揮できなくなる
- 子どもの頃、親や教師に「敏感だ」とか「内気だ」といわれていた
チェックリストの23項目中、12個以上に該当すれば「おそらくHSPでしょう」とのことです。
ただし、このような心理テストに完璧なものはありません。
該当項目が12個未満でもHSPの可能性もありますし、HSPでなくとも生きづらさを感じているのかもしれませんね。
ちなみに私は20個当てはまりました。
HSPとの向き合い方
HSPは「生きづらい」などとよく言われますよね。
最初に説明したとおり、HSPは思考のクセや刺激に敏感などの4つの特徴があります。
また、生まれつき備わっているものなので、これらの特性が消えることもありません。
では、HSPとどのように向き合えば「生きづらさ」を軽くすることができるのでしょうか?
HSPについて理解する
HSPの人こそ、HSPについて深く理解しましょう。
「なんとなく生きづらい」と漠然とした状態より、「この生きづらさの正体はHSPだ」と理由が分かれば対策が可能です。
HSPがぶち当たる壁として、人間関係のストレスと、感覚刺激からのストレスが2大柱でしょう。
対策などはこちらの記事を参考にしてもらえると良いですよ。
「HSPだから仕方がない」という開き直りも、ある意味大事だったりします。
自己理解を深める
「HSPとしての」「HSPだから」ではなく「自分」という存在を深く掘り下げてみましょう。
簡単に言えば、「自分のことをよく知ろう」ということです。
HSPだからと言って、全てのHSPさんが同じ特性、同じ性格ではありませんよね?
自分は何が好きで何が得意で、何が嫌いで何が苦手なのかと、自分を見つめてみるのです。
HSPさんは感覚が鋭いので、自分の快・不快も敏感に察知できるはずです。
ストレス、刺激に弱いところがあるので、自分の好き・得意を伸ばしていけば、生きやすくなっていきます。
HSPを強みにする
HSPの特性があると、必ず生きづらくなるのかと言えば、そうではありません。
HSPの人だって、幸せな人生を歩んでいる人はたくさんおられます。
HSPだけど幸せに生きるためには、HSPの自分を受け入れ、HSPの特性を強みに変えましょう。
たとえば
【相手が考えていることが手に取るように分かってしまうHSP】
人のお世話をする幼稚園の先生や看護師などが向いているかも
→どちらも対象者(園児や患者さんなど)のちょっとした変化や、感情に寄り添う場面がたくさんある。
【感覚が鋭く、豊かな感受性や想像性を持っているHSP】
音楽家や芸術家が向いているかも
→音楽や創作品を通して、自分を表現することができる
物事には良い面も悪い面もあるものです。
HSPの特性はネガティブに捉えられがちですが、上手く活かせると、ものすごいパワーが発揮されますよ。
ちなみに私は医療系国家資格を持っているので、資格を活かし、現在は高齢者施設で働いています。
利用者さんに日々寄り添いながらお仕事してます。
HSPと福祉職について知りたい人は、こちらの記事からどうぞ。
HSP仲間を見つけておく
同じ悩みを持っているであろうHSPの人と繋がれたら、心強いと思いませんか?
正直、HSPの感覚はHSPにしか分からないと思っています。
非HSPの人にはあまり分かってもらえないとツライ思いをしていても、HSP同士なら共感もできるでしょう。
話を聞いてもらって共感が得られるだけでも心が軽くなりますし、解決策や対策などが出てきたらラッキーですよね。
5人に1人がHSPと言われているので、身近にHSPの人がいるはずですよね?ですが、私にはリアル友人にHSPがいません。
HSPっぽいなって思う人はいますけどね。
私もそうですが、リアルの場で「私はHSPだ」とは公言していません。
リアルHSP友人はほしいのですが、わざわざHSPを公言するのもなぁって思うところもあるんですよね。
なのでTwitterなどのSNSを通じて、HSPの人とつながっています。
いずれコミュニティやオフ会なども参加してみたいなって気持ちもあります。
人見知りですけどね(笑)
まとめ
HSPさんの生きづらさの理由となりうるHSP特徴や、向き合い方について紹介しました。
HSPは病気ではありません。また、「他の人より感覚が過敏で繊細な気質」は生まれつきのものであり、一生付き合っていくことになります。
長年生きづらさを感じているけど、原因が分からないという人は、もしかしたらHSPの可能性もあるかもしれませんね。
記事で紹介したHSPチェックリストをやってみてください。
何事も、原因が分からないと対策も立てようがなく、モヤモヤしますよね。
自分が「HSP」だと分かったところで、モヤモヤがスッキリ晴れる訳ではありませんし、私自身も長年生きづらさを感じています。
それでも自分なりに対策などを考えたり、同じHSPの人と交流を持ったりして、このような発信をしています。
このブログが、同じHSPさんや身近にHSPさんがいる誰かの助けになったら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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