この記事をお読みのHSPさんは、周囲の人に「自分がHSPである」と伝えていますか?
大切な人には分かってほしい、苦しい現状を少しでも好転させたい、とカミングアウトを悩んだHSPさんは少なくないのではないでしょうか。
少しずつ世間での認知度も上がってはきましたが、まだまだ詳しく知っている人は少ないのが現状です。
そんな状況でカミングアウトするって、勇気がいりますよね。
HSPについてのカミングアウトでお悩みのHSPさんは、ぜひ参考にしてください。
HSPのことをカミングアウトするべきか
ケースバイケースではあると思うのですが、私の結論では「カミングアウトはしない方が良い」です。
私はブログやTwitterではHSPであると公言していますが、リアルで話したことはありません。
世間では、HSPをカミングアウトする芸能人が出てきたため、HSPがメディアに取り上げられたり話題に上がったりするようになりました。
しかし、世間の知名度的にはまだまだなんじゃないかなぁと感じています。
HSPという言葉を聞いたことがある人は増えてきたかもしれませんが、特徴や抱えている生きづらさなど深く知っている人は少ないんじゃないかな?
実際、私の周囲で「自分はHSPだ」と言っている人はいません。
「この人HSPっぽいな。」と感じる人はいますけどね。
ちなみに、芸能人でHSPを公言している人を以下に挙げました。
- ベッキー さん
- 田村 淳 さん:ロンドンブーツ1号2号
- 要 潤 さん
- 松本 人志 さん:ダウンタウン
- 村上 春樹 さん
- 宇多田 ヒカル さん
- 大木 亜希子 さん:元SDN48メンバー
など
HSPをカミングアウトしない理由4つ
私がHSPをリアルでカミングアウトしていない理由を紹介します。
変な目で見られそうだから
カミングアウトしても「HSPって何?」と、よく分からない人がまだまだ多いのではと感じているからです。
自己理解や心理学などに興味のある人は詳しく知っているかもしれませんが、普通の人は「HSPという言葉を聞いたことがある。」くらいではないかと推測しています。
ゆえに「何それ?病気!?」と思われたり、説明しても心の病気や発達障害だと思われるかもしれないなと思います。
「病んでる人」と思われたり、腫れ物に触るような扱いを受けたりするのが嫌だなと思ってしまいます。
面倒くさいヤツと思われそうだから
HSPの特性って、自他共に「面倒くさいだろうな」って思いませんか?
HSPさんに多い特徴として、
- 話を深読みする(しかもネガティブな方に)
- 基本ネガティブ思考
- 何気ない一言でひどく傷つく
- 心配性
が、ありますよね。
自分自身も自分が面倒くさいヤツだなと思っています(笑)
ネットで「HSP」について検索すると、「めんどうくさい」と出てきますよね。
恐らくHSPさんとの付き合いで壁にぶち当たった人がいるのでしょう。
なので「HSP=面倒くさい人」とレッテルを貼られるのが嫌で、カミングアウトをためらってしまいます。
言っても理解される気がしないから
「HSPってこんな特徴があるんだよ」と話したところで、実際の感覚や思考回路はHSPにしか分からないと思っています。
理解しようとしてくれるのはとても嬉しいですが、頭で理解するのと、実際に体感しているのでは違いが大きいでしょう。
過度に期待してしまうから
カミングアウトしたからには配慮や寄り添いをしてほしいなと期待してしまうのが本当のところではないでしょうか。
ですが、実際のところがHSPの特性を体感できない非HSPさんに期待するのは酷な話です。
非HSPの家族や友人などに対し、「カミングアウトしたのに全然分かってないじゃん!!」って気持ちになりたくないので、言わずにいます。
大切な人には分かってもらいたい!!って思っちゃいますけど、理解されないことに怒りや悲しみが生まれるのも複雑です。
私のカミングアウト
最初に言った通り、リアルな人間関係ではHSPをカミングアウトしていません。もう少し具体的にお話ししますね。
匿名のネット世界では
このブログとTwitterではHSPを公言しています。
公言している理由として匿名であることは大きいです。そもそもブログを始めた理由に、「同じHSPで生きづらさを感じている人の役に立ちたい」という思いがあります。
私の体験や発信で、キレイさっぱりモヤモヤが晴れる、生きづらさの根本解決は難しいかもしれませんが、ポッと心に灯が差すような、何か光が見つかればいいなと思っています。
ブログやTwitterなら素性を明かす必要性が無いため、素直に自分の思いを出せるのがメリットだと感じています。
ネットでは、私以外にもHSPを公言している人がたくさんいるので、良い交流が生まれています。
夫について
私の夫は非HSP、だと思います。
そして、私がHSPであることは話していません。
以前、ちょっと身内のことで、私がすごいネガティブに気にしてしまったことがあったのです。
不安になっている内容と、私の考え方のクセ、気質的なものは説明をしました。
が、理解は得られませんでした。
最初は自分の心の内だけに留めておいたのですが、気持ちがどうにもならなくなり、夫に打ち明けたんですけどね…。
その時に、「HSP」とは言わず、私の特性について以下の内容を話しました。
- 些細なキッカケでも、最悪の事態を想定してしまう
- 過去に気になったことも、どんどん深掘りしてしまう
- ネガティブループにハマるとなかなか抜け出せない
話は聞いてくれましたが「考えすぎだ。」「そんなことある訳ない。」と言われました。
- なぜ、そんな考えに至るのか?
- なぜ、ネガティブな方へばかり考えるのか?
- なぜ、そんなことで不安になるのか
と、私の思考回路が分からないようでした。
私としてはなぜ不安になったのかを理解してほしかったし、どんなことがあっても味方でいてくれるって言う安心感が欲しかったんですけどね。
結局、深読みして不安になっても理解はされないため、話すのをやめました。
自分は深読みし過ぎること、ネガティブになり過ぎることを理解しつつ、不安な気持ちへの折り合いのつけ方は、今後の課題だなと思っています。
カミングアウトしても良いケース3つ
こんな場合ならHSPをカミングアウトしても良いのでは、と思うケースを紹介します。
相手もHSPまたはHSPっぽい場合
カミングアウトしようとしている相手もHSP、またはHSPっぽいなと思う相手なら、打ち明けても良いかもしれませんね。
HSP気質・傾向を持つ相手なら、共感してもらえる部分も多いかもしれません。
お互いHSPだと分かれば、お互い助け合うことや情報共有ができ、良き友人・パートナーになることでしょう。
相手が自分に興味を持っている場合
共感力が高く、理解を示してくれる相手なら、話しても良いかもしれません。
非HSPさんでも、「こんな感じ」とふんわり特性や状況を分かってはくれるでしょう。
HSPは5人に1人と言われていますが、少数派であることは間違いありません。
友人や家族・親戚が非HSPである可能性の方が高いのです。
非HSPでも共感力の高い人、自分に興味を持って親身になってくれる人はいるでしょう。
相手が理解しようとしてくれているのなら、自分の気持ちや思いを伝えてみましょう。
カミングアウトしたことで過度に甘えようと思っていない場合
カミングアウトしたことで、「察してもらおう」「共感してもらおう」と過度に期待しないなら、カミングアウトしても良いでしょう。
最初から期待していないので、思った反応と違っても、傷つくことが少ないはずです。
そもそも、自立した大人の関係で、相手に甘え過ぎる、依存はよくありませんからね。
サラッと軽く伝えるのも悪くはないでしょう。
カミングアウトで傷つかないで
カミングアウトしてもしなくても、メリット・デメリットはあります。
カミングアウトする | カミングアウトしない | |
---|---|---|
メリット | ・相手からの理解が得られるかも ・自分の心が軽くなるかも | ・偏見の目で見られない ・周囲の人に過度な期待をしない |
デメリット | ・偏見の目で見られるかも ・思った通りの結果にならないかも ・過剰な気遣いを受けるかも | ・周囲にHSPであることは伝わらない ・良くも悪くも現状維持 ・ツライ状況を1人で抱え続ける |
先程も言いましたが、HSPは5人に1人、人口の20%しかいません。多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれですが、少数派であることに間違いありません。
そして、自分で体感していないことを理解するのは、かなりの想像力を必要とし、難易度はMAXです。
また、「察する」ことも、かなりの難易度であるという事実を、肝に銘じておきましょう。
カミングアウトするもしないも自分次第ですが、相手の人柄や関係性をよく吟味しましょう。
自分の内面、精神的な部分を他者へ正確に伝えるのはすごく難しいことです。
たとえ自分の思うような結果にならなくても、過度に落ち込まないでくださいね。
まとめ
HSPであることを周囲にカミングアウトするか否かについて、私の考察を紹介しました。
- 「自分はHSPだ」とカミングアウトすることはオススメしない
- カミングアウトする際は慎重に
- 内面や精神面を他者へ正確に伝え、かつ理解してもらうことは至難の業と肝に銘じておく
HSP当事者である、私の経験からカミングアウトすべきか否かを考察してみました。
私の個人的な意見では「リアルではHSPをカミングアウトしない」です。
もしこの先、HSPについて理解が広まり、世間的にも受け入れられるようになってきたら、気持ちは変わるかもしれませんけどね。
みなさんも、HSPについてカミングアウトする際は、慎重に検討してくださいね。
より生きやすい環境になることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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