相手を傷つける言葉は、相手がHSP、非HSPに関わらずかけてはいけないですよね。
この大前提がある上で、更にHSPの方は、相手の仕草や表情から、発せられた言葉以上の情報を受け取ってしまいます。
要は「傷つきやすい」ということです。
念のため言っておくと、
「HSPは特別なんだ、大事にしてくれよ!!」ということを押し付ける記事ではありません。
あくまで
HSPはこんなことでも傷ついているよ
お互い良好な関係を築けたらいいな
という視点で発信しています。
HSP当事者の私が体験したことや考えたことを交えて考察していきます。
では、よろしくお願いします。
HSPが言われたくない傷つく言葉9選
HSPが傷つきやすい言葉を紹介していきます。
基本的にはどんな人に対しても言われたくない、気持ち良くはない言葉でもあると思います。
ただ、1つの情報から10の想像を膨らませてしまうHSPは、ちょっとしたことでも深く傷ついてしまうところがあるのです。
HSPの深く考える特性を否定する言葉
- 考えすぎ
- 気にしすぎ
- 細かいな
考えすぎ、気にしすぎはHSP本人も分かってはいるので、更に追い打ちを掛けられた状態です。
HSP本人だって、軽く流せるなら越したことはないと思っています。
どうにもこうにも特性上仕方がないので、ひどく傷ついてしまうのです。
理解しているか確認する言葉
- 本当に分かってるの?
- (黙っていないで)何か言ってよ
HSPは深く考え込むので、返事がすぐにできないことがあります。
特に重要な話になると、正確に話を汲み取って、正確に思いを告げないといけないと思うので、余計に返答が遅れます。
分かっていない訳ではない、ボーッとしている訳ではない、無視している訳ではないのです。
子供の頃、母に「何食べたい?」と聞かれても、すぐに答えられませんでした。
以前同じような会話で答えた時に、「え~、また?」などと言われたのが傷となり、しまいには自分でも何が食べたいのか分からなくなっていました。
勝手に決めつけるような言葉
- 要は〇〇〇なんでしょ?
- 効率悪いな
- 怠けてる?
返事が遅い時があるので、相手が早く返してほしい時によく起こりがちです。
HSPは熟考するため、返事が遅かったり、慎重なあまり行動が遅かったりすることがあります。
見た目から、考えているのかボーッとしているのか、人の内側は分からないのですよね?
一方的に急かされたり、判断されたりすると傷つきます。
特にネガティブなことを伝えたい時、正確に伝えたいと思うとなかなか適当な言葉が見つからず、フリーズしてしまいます。
微妙なニュアンスまでキチンと思いを汲んでほしいと思ってしまうんですよね。
せっかちな人だと「〇〇〇ってこと?」って聞き返してきますが、「なんかズレてる」「そうじゃない」と、話の収集がつかなくなることがあります。
正論や一般常識にはめこもうとする言葉
- 普通は〇〇〇だよね
- 一般的には〇〇〇じゃない?
- 大多数の人は〇〇〇だと思うよ
HSPは他の人と違う生きづらさを既に抱えています。
「周囲とは違う」思いが強いのに「普通は~」とか「多くの人は~」と言われると結構なダメージになります。
また、ネガティブな話の内容ではなかったとしても、ネガティブに捉えてしまいがちです。
「世間一般の、多くの人の考え」があるのは事実ですが、個人がいう「世間は」「一般的には」は、その人の範囲でしかありませんよね。
アインシュタインが残した言葉に
「常識とは 18 歳までに身につけた偏見のコレクションでしかない。」
というのがあります。
「普通は~」や「一般的に~」を多用する人の心理や対処法について、詳しく知りたい方はこちらの記事からどうぞ。
周りと比較する言葉
- みんな同じだよ
- あなただけじゃないよ
正論や一般常識と似たような感じですが、ベースに「周囲と違う生きづらさ」を抱えているので傷つきます。
私の気持ちや考えはおかしいんだ…
私の気持ちに共感してくれる人はいないんだな…
と、ネガティブまっしぐらになってしまいます。
余計な一言
- だから言ったのに
- どうせ無理だから
良好な人間関係のためには、どんな人にも余計な一言は好ましくありませんが、HSPは「嫌われた」「全否定された」と受け取ります。
ちょっとしたイライラの捌け口で放った言葉でも、HSPには大ダメージです。
多分、非HSPの人にとっては大したことではないのかもですが、
HSPにとってはちょっとのネガティブ発言で、
自分の人格や存在を全て否定されたように感じてしまうのです。
気を遣いすぎる言葉
- あなたは気にしなくていいからね。ちょっと休んでて
- ごめんね、負担かけちゃうけど。本当に大丈夫?
- 大丈夫!?代わろうか?
HSPにとって相手からの優しさはとても嬉しいのですが、過剰すぎると
私ってそんなに頼りない?
信頼されてないのかな…
と考えてしまいます。
素直に「ありがとう」って受け取れればいいのですが…
見放したような言葉
- もういいよ
- はいはい、わかりました。
軽くあしらわれたような、見放されたようない方は、HSPにとっては自分を全否定されたように受け取ってしまいます。
冷たい言い方で言われたら絶望しますし、たとえ優しい言い方でも
これじゃダメだったのかな?
嫌われたかな?
とショックを受けます。
相手はその場のちょっとしたイライラが出ちゃっただけなのかもしれませんが、HSPにモヤモヤを残します。
その事柄に対しては「もう、いいから」って言ったのに、
私を丸ごと否定された、拒絶されたと感じてしまいます。
素っ気ない返事
- ふ~ん
- で?
- へぇ
返事が素っ気ないと
私の話、つまらなかったかな?
機嫌を損ねちゃったかな?
と、不安を感じてしまいます。
たまたま振った話に興味がなかった、たまたま相手の気分が落ちていた、など素っ気ない理由はさまざまあることは分かっているんだけどね。
次から話しかけるのが恐くなっちゃいます。
私はホラーや怪談が好きで、ちょこっとですが実際に恐い体験をしたこともあります。
それを友人に話した時、「そうなんだ」の一言で終わった時は悲しかったです。
ホラーや怪談ジャンルって苦手な人もいるし、みんなが等しく見聞きできるものでもないから胡散臭いと思っている人も結構いるから、仕方ないことですが。
HSPが苦手な話6選
HSPが答えに困惑したり苦手に思ったりする話の内容を紹介します。
プライベート色の濃いぶっちゃけ話
初対面や薄い関係性の人に、プライベートすぎる話をされると困惑します。
まだ相手の人柄や背景など掴みきれていない状況で、プライベートの深い話を聞くと…
どこまで踏み込んでいいんだ!?
こんなこと言ったら、不快にさせちゃうかな?
と、とにかく言葉の返しに困ります。
HSPは平和主義な人が多いので、相手に不快な思いをさせたくないと思っています。
嫌われたくもないんです。
嫌味やマウント
嫌味やマウントは、誰が言われても気持ちの良いものではありませんよね。
特にHSPだとサラッと言ったり隠すように言ったりしてもバッチリ拾ってしまいます。
また、悩み相談や愚痴を聞いているつもりだったのに、実はマウントを取ってくるようなことをされると
話を聞いてほしいの?それともすごいね!!と称賛してもらいたいの?
と混乱します。
マウント取ってくる人の話、聞いてて疲れてしまいます。
自虐的な話
冗談っぽく自虐的に話された際、HSPが「本当にそうだな」と思ってしまった時は返事に困ります。
HSPは話を真摯に受け止め、真剣に返そうと思っているところがあり、何と言ったら良いか分からなくなって困ります。
日頃の関係性が大きく関係するので、冗談が全く通じないわけではありませんよ。
他の人の悪口
これも誰もが聞いていて気持ちの良い話ではありませんが、HSPの人は更に深読みしてしまいます。
私のことも悪く思っているんじゃないの?
私がいないところでは、他の人に私のことを悪く言っているのかもしれない。
と、ネガティブに勘ぐります。
気心の知れた友人など、深い関係の人なら大丈夫なのですが、関係の薄いママ友などから悪口とまではいかないけど、ちょっと批判するような話を聞くと「私も何か言われるかも」と恐くなったことがあります。
嘘
たとえ隠そうとした嘘でも、HSPは仕草や態度から見抜いてしまうことが多いでしょう。
この人、私に嘘ついてる…
と気持ちが沈んでしまいます。
たとえ優しい嘘だったとしても、「本当のことを言ってくれなかった」とネガティブな印象も、多かれ少なかれ抱いてしまいます。
命令口調
HSPは威圧的・高圧的な人に恐怖感を持ちやすいです。ただ命令口調というだけで、相手がイライラしていると感じ、
私、何か気に障ることしたかな?
と自分を責めます。
身近な人がHSPだった場合の対処法5つ
みなさんの周りにHSPがいる場合、どうしたら良いかを説明します。
HSPだけでなく、どんな人に対しても円滑なコミュニケーションを心がける時に使えますよ。
HSPについて詳しく知りたい方は、こちらの記事からお読みいただくとこの記事の内容が分かりやすくなるかと思います。
気を遣いすぎない
HSPだからといって、腫れ物に触れるような特別扱いしなくても大丈夫です。
さきほども説明したとおり、過剰な気遣いはHSPに負担になることもあります。
確かに傷つきやすいし、深読みはしますが、他の人と同じように接してもらうのが1番です。
HSPは相手に負担をかけたくないと考えます。
言葉が出てくるのを待つ
HSPは相手からの情報を正確に受け取り、自分の考えなどを正確に伝えようとするあまり、言葉が出てくるのが遅くなる場合があります。
決して何も考えていない訳ではなく、グルグルと思考をまとめている途中なので、HSPとしては表出できるまで待っていてほしいのが本音です。
イライラしている時や、早急に答えがほしい時はもどかしく感じるとは思います。
でも待ってくれるとHSPは安心します。
言葉と行動を一致させる
言葉と態度や行動が一致していないと、HSPは激しく混乱します。
ちょっとした仕草や態度、裏では反対のことを言っている、など、HSPは鋭く察します。
すると
あの言葉は嘘だったの!?
本当はどう思ってるの?
とネガティブ思考のループが始まってしまいます。
HSPの直感が全て正しい訳ではないのですけどね。
直感に固執しやすいのはHSPの悪いところでもあります。
一言添える
過剰な気遣いは不要ですが、サラッと気遣いのある一言はとても嬉しいです。
- 「今、ちょっといかな?」
- 「申し訳ないんだけど、〇〇〇できないな。」
- 「もし良かったら、〇〇〇してもらえないかな?」
HSPに限らずですが、言葉のワンクッションを置くと、言い方が柔らかく感じられ好感が持てますよね?
HSPはちょっとした雰囲気やトーンの違いも必要以上に感じとってしまうので、言葉のワンクッションがあると安心できます。
伝えたいことを簡潔に話す
特にHSPにダメ出しなどのネガティブな件を伝えたい時に、要件要望を簡潔に伝えましょう。
ネガティブなことを相手に伝える時に、言いづらくて遠回しに言ってしまいがちですが、HSPは不自然な言い方や態度に警戒や不信感などを持ってしまいます。
HSPに限らず、相手に伝えたいことはシンプルに言った方が伝わるので、家庭や職場などさまざまな場所で使える対策です。
HSP当事者側の対策は?
では、HSP当事者が傷を浅くするための心構えはどうしたらよいでしょうか?
HSPの特性を知っておく
HSPの特性を知り、自分の傾向を熟知しておくことに限ると思います。
- 傷つきやすい事実を受け止めておく
- 自分の思考のクセにあてはめない
- 相手はHSPほど深く考えてはいないと肝に銘じておく
- 自分も相手に思いやりを持つ
- 相手に聞く勇気を持つ
特性を知り、自分の傾向を知っておくことで冷静に物事を見ることができるのではないでしょうか。
その上で、HSPだけが特別、偉い訳でも何でもないので、相手への思いやりやちょっとした勇気があれば、今よりも人間関係で傷つくことが減るでしょう。
HSPさんは他人軸になりやすい傾向があります。
こちらの記事を参考に、自分軸を取り戻し、育てていくのもおすすめです!!
まとめ
HSPさんが傷つきやすい言葉や苦手な話の紹介と、対処法などを紹介しました。
HSPは病気や障害ではなく、生まれつきの性格のようなものです。
小さな情報も拾い上げ、ネガティブな方向へ情報を膨らましがちではありますが、HSPの特性上仕方ないところもあります。
しかしHSPの特性や自分の傾向を知っておくことで、冷静に物事を判断できたり、思考パターンのクセに気づけたりします。
「HSPだから」「HSPではないから」ではなく、どんな人もちょっとの思いやりで良好な人間関係が築けていくと嬉しいですよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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