生きづらさの代名詞的な感じで、「HSP」という言葉がだいぶ世間に浸透してきましたよね。
HSP当事者としては、HSPについて正しく理解・認知が広がれば嬉しいなという気持ちでいます。
同調圧力の強い日本でも、多様性や個人の尊重を認める風潮になってきていますので、HSPさんが少しでも生きやすくなればなぁと期待しています。
ところで、昨今、次の生きづらさの代名詞として「INFJ」という言葉も見受けられるようになりましたね。
この「INFJ」何だか知っていますか?
実はこのINFJ、HSPは似ている点が多く、親和性が高いのでは??と言われているんです。
ちなみに私は内向型HSPで、INFJでもあります。
HSPやINFJについて正しく理解していきましょう!!
HSPって何?
HSPとはHighly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略です。
日本語に訳すと、「とても繊細な人」となります。
「繊細さん」「生きづらい人」などと聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
HSPという言葉を世に広めた、エレイン・アーロン博士曰く、HSPは5人に1人の割合で存在すると言われています。
HSPは発達障害や精神疾患の一種と誤解されることもありますが、病気や診断名ではありません。
心理学で使用される、性格表現のような用語です。
ちょっと話は逸れますが、HSPと発達障害の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
話を戻して、HSPの特徴は「DOSE」で説明されることが多いので紹介します。
Depth of processing:情報を深く処理する
Overstimulated:過剰に刺激を受けやすい
Sensitivity to subtleties:些細な刺激を察知する
Empathy and emotional responsiveness:情動反応が強く、共感力が高い
HSPについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
INFJとは
INFJとは、16 personalitiesや16タイプ性格診断などで表される性格の1つです。
性格の特徴である、内向型 (Introverted)、直観型 (Intuitive)、感情型 (Feeling)、判断型 (Judging)の頭文字を取ってINFJとしています。
16 personalitiesや16タイプ性格診断では「提唱者」というキャラクター設定になっていますね。
INFJの特徴を、もう少し丁寧に説明すると、
- 共感力が高く、相手の思考・感情が手に取るように分かる
- 人を助ける、誰かのために動くことが好き
- 深く考えることが好き
- 行き当たりばったりではなく、計画を立てて行動したい
- 興味のあることはとことん追求、クリエイティブ
- 使命感を持っている
このような感じです。
なんかHSPと同じ!?
HSPとINFJの類似点
ここから本題です。
HSPとINFJの相違点について見てみましょう。
- 共感力が高い
- 深く考える
- 空気を読む
- 内向的
大まかにまとめましたが、HSPとINFJは非常に良く似ていることが分かると思います。
一つずつ詳しく説明しますね。
共感力が高い
HSPモINFJも共感力が高いです。
どちらも相手の思考や感情を、驚くほど理解できてしまいます。
この特性ゆえ、HSPやINFJの適職では介護・教育職、カウンセラーなどが挙げられていますよね。
また、共感力が高いがために、相手のネガティブな物事を自分事と感じてしまい、しんどくなることもよくあります。
深く考える
深く考えるところも、HSPとINFJの似ているところです。
高い洞察力で、物事を深く考え、自分の中に落とし込んでいます。
また、自分が興味のあることについてはとことん掘り下げて探求するため、知識の深さに驚かれることもあるでしょう。
自分なりの解釈や答えを持っているため、独自の世界を持っています。
空気を読む
共感力の高さや、高い洞察力ゆえに、空気を読みます。
基本的にHSPもINFJも争い事が苦手で、平和を好むんですよね。
共感力の高い平和主義者であるため、協調性、周囲との調和も大事にしています。
協調性や平和を大事にするがあまり、自分の気持ちを抑え込んで疲れてしまうこともあります。
毒の溜め込み注意ですね。
また、相手の仕草や表情などから空気を読む力に優れているため、嘘や建前なども見抜いてしまいます。
内向的
HSPには外向型もありますが、HSPの多くは内向型です。
HSPの65%が内向型HSPと言われています。
またHSS型HSP(刺激追求型内向的HSP)はHSP全体の6%と言われているので、HSPさんの7割くらいが内向型ってことになります。
INFJの特徴にも「内向的」が含まれているので、両者の類似点と言えます。
よって、人付き合いは大勢でワイワイするより、信頼できる数人の友人と過ごすことに喜びを感じます
なにより、HSPもINFJも一人で考える時間や、エネルギーを充電する時間が必要です。
HSPとINFJの相違点
すっごく似ているHSPとINFJですが、違う点も探してみました。
HSPに見られる特徴
INFJよりも、HSPに見られやすい特徴から紹介しますね。
些細なことも刺激になる
INFJも高い共感力や洞察力を持っていますが、「些細なことが刺激になる」とは説明されていません。
相手の言動や表情や、自分で深読みして傷つきやすいのはHSPの特徴と言えそうです。
自分以外の人に向けられた怒りを自分事に受け止めてしまったり、映画などで強烈に感情移入してしまったり、自他の境界が曖昧と言われるのもHSPの特徴です。
感覚が鋭い
聴覚、嗅覚などの五感が鋭いのはHSPの特徴です。
たとえば、大きな音にひどく驚いてしまったり、通常設定でもスマホの画面がまぶいと感じたりします。
HSPの感覚の鋭さについてもっと知りたい人は、こちらの記事からどうぞ。
IFNJに見られる特徴
次に、HSPよりINFJに見られやすい特徴を紹介します。
完璧主義
INFJは鋭い洞察力で情報を得て、深い思考で物事を自分の中に落とし込んでいます。
ゆえに独自の世界観を持ち、納得いかないことは受け付けられないなど、完璧主義の傾向があります。
HSPも洞察力・思考力の高さが特徴に上がりますが、完璧主義や頑固という特徴はあまり見かけられません。
HSPはマルチタスクやイレギュラーな対応が苦手なことがあり、自分のペースを崩したくないところはありますが、完璧主義ではないようです。
使命を持っている
「人生の目的を見つけたい」「この世で果たす使命がある」と感じているのはINFJの特徴です。
共感力が高いのはHSPも同じですが、「人の役に立ちたい」「誰かを助けたい」「何かせねば!!」という思いはHSPに見られる必須条件には該当していません。
INFJさんが幸せになるためには「使命」を探り当てることかもしれませんね。
INFJはHSPの人に多い!?
これだけ類似点が多いHSPやINFJですが、「INFJにHSPが多い」や「HSPはINFJが多い」と断言はできません。
HSPも16 personalitiesも無料で診断できるサイトがたくさんありますので、誰でも気軽に診断できます。
そのため、SNSなどでHSPとINFJ両方診断結果が出ました!!と、よく見掛けるのも事実です。
今のところ、専門機関などの研究で「HSPの人はINFJが多い」「INFJの人はHSPが多い」と立証されたデータは無さそうです。
ですが、少なからず相関があるのでは、というのが私の持論です。
「誰でも無料で診断できるテストなんて、信憑性がない!!」と言われそうなところもありますけどね(汗)
別に「HSPだから丁寧に扱って!!」「INFJだからすごい!!」とかではありません。
あくまで「自分にはHSPやINFJの傾向がある」ということで、無理せず自分らしい生活を送ったり、人間関係でのストレスを軽くするヒントとして無料診断を活用するのが良いと思っています。
HSP・INFJエピソード
私がHSPでありINFJでもあるのですが、まさに「ソレな!!」というエピソードを紹介します。
人のためにマルチタスクを受け入れる
HSPはたくさんのタスクに迫られると疲弊してしまいがちですが、私は割と膨大なタスクを引き受けるタイプです。
家事・育児・仕事…家でも職場でもさまざまなタスクを抱えています。
割と全体を見渡せる力はあると思っていて、優先順位を付けたり、こなす計画を立てたりは出来ちゃう方です。
疲れますけどね(苦笑)
ですが、イレギュラーなこと、予想外のことが起こり、予定を変えざるを得ない状況になると、結構イライラします。
理不尽な(自分のせいではない)予定変更は強いストレスを感じてしまいます。
友達と会うのは楽しいけど疲れる
久しぶりに友達と会って、時間を忘れてお喋りに花が咲く…楽しい時間です。
会えて良かった、お喋りできて良かったと、本当に思っています。
ですが、3時間4時間と一緒に過ごすと、正直疲れます。
HSPもINFJも内向的で1人の時間で充電するタイプが多いですよね。
私の場合も、よっぽど波長が合う人でないと、消耗します。
決して、ずっと一人でいたいという訳ではないんです。
孤独、寂しさも感じます。
疲れるとか言いつつも、お互いの子供が大きくなったら、友人と旅行に行きたいなという夢も持っています。
内向型でも人と関わる仕事をしている
内向型強めですが、人と関わる仕事をしています。
仕事柄、軽度〜重度の認知症の方や、精神疾患持ちの認知症の方などと接することが多いです。
認知症や精神疾患持ちの方は、自分の思いを上手く表出できないこともあります。
なので、仕事上でも寄り添い、気持ちを汲むのが大事なのです。
仕事の時は寄り添い、傾聴や共感を示すことが多いので、昼休みは1人になりたい気持ちが強まります。
職場に食堂もあるのですが、食堂へは行かず、1人になれる空間で少しでもエネルギーの回復を図っています。
まとめ
HSPとINFJの基本情報や類似点・相違点について紹介しました。
HSPとINFJに見られる特性として、
- 共感力が高い
- 深く考える
- 空気を読む
- 内向的
は、とってもよく似ていますよね。
微妙な違いはありますが、それでもやっぱり似ているな~と感じます。
HSPやINFJに限らず、性格の傾向や特性は一人一人違います。
「HSPだから」「INFJだから」ではなく、「自分にはこのような傾向がある」と知り、より良い人生を歩む糧にしていただけたらなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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