HSPを自覚している方なら、人生のさまざまな場面で生きづらさを感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
とくに、人間関係でのモヤモヤや傷つきは、多くのHSPさんが体験していることと思います。
私は内向型HSPであり、幼少期の頃から生きづらさを感じていました。
とくに学生時代は「生きづらさ」を周囲に勘づかれないよう、取り繕って生きてきたので、なかなかハードモードな人生だったなと、振り返ると思います。
そんな私は、今もあまり人間関係は得意ではないですが、社会に出て納税の義務を果たしております。
人間関係に苦手意識がある私の会社務めは、最初から上手くいっていた訳ではありません。
ですが、今はようやく腰を落ち着けることができました。
その理由を考えてみたら、バウンダリーの設定が一役買っているなと気づいたので、シェアしたいと思います。
人間関係に翻弄されることが多い方や、長年生きづらさを感じているHSPさんのお役に立つ記事となっております。
HSPの心を守る「バウンダリー」とは
バウンダリーとは本来「境界線」や「限界」を表す言葉ですが、心理学や人間関係の分野では「自他境界線」という意味で使われています。
簡単にいえば、
自分と他者をわける目に見えない境界線
のことです。
心理学のバウンダリーには大きく2つの意味を持っています。
- 自分の領域を守る
- 他者の領域を尊重する
わかりやすく説明すると…
自分の大切にしたい感情、思考、行動、時間、体、価値観などを守る
自分の領域をはっきりさせることで、他者に過度に踏み込まれたり、利用されたりすることから守る
他者が大切にしたい感情、思考、行動、時間、体、価値観などを尊重する
他者の領域をはっきりさせることで、他者への過干渉、責任の背負い込みを防ぐ
ともみバウンダリーを適切に引くことで、自分自身だけでなく、相手のことも尊重できるってことなんですね。
このように、良好な人間関係を築く上で、バウンダリーを適切に引くことは、大事なことなのです。
バウンダリーの種類
バウンダリーは、主に対人関係の中で使われていた言葉ですが、近年では、自分を取り巻くあらゆるもの・ことに対してバウンダリーという言葉が使われています。
例を挙げると…
| 感情的バウンダリー | 自分と他者の感情を明確に区別する |
|---|---|
| 時間的バウンダリー | 仕事、家庭、個人の時間など区別する |
| 身体的バウンダリー | 他者との物理的な距離を明確にする |
| 情報的バウンダリー | 得たい情報と得たくない情報を区別する |
このように、自分と他者をわけたり、自分の価値観で区切りをつけたりすることが、バウンダリーを引くということです。



あなたの価値観で、嫌なものは嫌、要らないものは要らない、と決めていいってことですね。
バウンダリーが適切に設定されていないとどうなるの?
バウンダリーが適切に設定されていないと、人間関係で疲弊したり、トラブルになったりします。
バウンダリーが曖昧なことで他者との適切な距離を保てず、自分を犠牲にしてしまったり、逆に他者へ支配的になってしまったりするのです。
自己犠牲に陥る場合
バウンダリーが曖昧で、自己犠牲に陥ってしまう場合、以下のような状態になります。
- 自分を犠牲にして、過度に他者に合わせる
- 嫌われたり、争ったりしたくないがために、自分を抑え込む
バウンダリーが曖昧な方は、自分に自信がない、価値を感じられないなど、自己肯定感が低い場合が多々あります。
自分自身で認められない代わりに、他者から自分の存在価値を認めてほしいという心理が働いているのです。



上の子が生まれた時、「私は育休を取り、夫は働いている。私は休んでいるのだから、私が育児を頑張らなければならない。」と思っていました。
ツラい夜泣きや夜の授乳もほぼ100%私がこなしていたのです。
職場復帰した後も、私が担っていました。助けてほしいとは言えませんでした。
他者支配に陥る場合
バウンダリーが曖昧で、他者支配に陥ってしまう場合、以下のような状態になります。
- 相手をコントロールしようとする
- 相手に過剰な期待や要求を求める
バウンダリーが曖昧だと、自分に自信がなく、価値を感じられず、自己肯定感が低い傾向にあるのは先ほども説明したとおりです。
自信の無さを隠すため、見捨てられ不安のような感情から自分を守るために、相手への依存や攻撃といった行動を取ってしまうのです。



若い頃の私は、かなり完璧主義の傾向がありました。
家事・育児のクオリティー、やり方も「やるなら、ちゃんとやってね!!」と夫に求めていました。
当然、得意なことやスキルも違いますから、同じようにはいきませんよね。
ですが、当時の私には、かなりのイライラポイントだったのです。
バウンダリーが適切に設定されている人の特徴
単刀直入にいえば、
自分も大切にでき、相手のことも尊重できていれば、バウンダリーが適切に設定できている
といえます。
具体的にいうと、
- 自分と相手相互に尊重し合える関係が築けている
- 自分が大切にしたいことがわかっていて、他者が大切にしたいことも尊重できる
- はっきりと「No」が言える
- 自分ができることと、できないことの区別がついている
- 相手に過度な期待や要求をしない
このように、自分の領域と他者の領域を理解し、過度に入り込まず期待せず、適切に関われている状態が「バウンダリーの設定が適切になされている状態」です。
HSPとバウンダリーの関係
HSPの特徴である「DOES」の一つ、
Emotionally reactive :情動反応が強く、共感力が高い
があるため、HSPさんのバウンダリーは曖昧になりやすい傾向があります。
なぜなら、バウンダリーは幼少期の頃から適せてな設定方法を学んでいくからです。
HSPmのバウンダリーが曖昧になりやすい理由
HSPさんの繊細さは生まれ持った気質であり、幼少期の頃から既に繊細なのです。
生きづらさを感じながら生きてきたHSPさんは、恐らく物心ついた頃から生きづらかったのではないでしょうか。
- 幼少期から、周囲の人の表情や振る舞い、言葉から、数々の情報を読みとってきた
- 「愛されたい」「嫌われたくない」と心を守るために、良い子を演じてきた
- 「傷つきたくない」「嫌われたくない」と、自分の気持ちを押し込め、相手の期待・希望に沿ってきた
- 相手の気持ちがわかるから、「助けてあげたい」「力になりたい」と強い気持ちが湧いた
当時は、良い子の仮面を被ることが、自分の心を守るために必要不可欠でしたね。
困っている人を助けたいのは、純粋なやさしい気持ちだったかもしれません。
ですが、相手の気持ちばかりを優先してきた当時HSCさんたちは、適切なバウンダリーの引き方を学べていない可能性があるんですよね。
よって、HSPさんはバウンダリーが曖昧になりやすいと言えるのです。
適切なバウンダリーの設定方法
幼少期に適切なバウンダリーの引き方を学べなかった方も、設定方法を学んで実行すれば、少しずつ適切なバウンダリーが設定できるようになります。
自分のバウンダリー設定に自信のない方は、以下の方法をお試しください。
- 自分の気持ちを素直に受け止めてみる
- 自分が大切にしたいものを把握する
詳しく説明しますね。
自分の気持ちを素直に受け止める
まず、適切なバウンダリーを設定するためには、自分を知ることが必要不可欠です。
なぜなら、バウンダリーは自分の心地良い・悪い、大切にしたい・したくないなど価値観が指標になっているからです。
そのため、適切なバウンダリーの設定には、自分軸でいることが大事になります。
自分軸についてくわしくしりたい方は、こちらの記事を参考にしてください。


と、急に「価値観」や「自分軸」と言われても難しいですよね。
まずはヒト・モノ・コトに対し、あなたが「どう感じたか?」をよ~~~~く味わってみてください。



心地良いか良くないか、好きか嫌いか、を簡単に判断するだけでも良いです。
あなたのあるがままを感じてみましょう。
ちょっと脱線しますが、手帳を使って自分の気持ちに気づいていくのは、おすすめの方法です。
手帳やノートがお好きであれば、以下の記事も参考にしてくださいね。


自分が大切にしたいものを把握する
自分の気持ちをありのままに感じ、受け入れられるようになってきたら、その中で「大切にしたいこと」を見つけましょう。
それはあなたの価値観です。
価値観が明確になることで、「ここまではいいけど、ここからは嫌」と自分の領域が決まります。
その領域の境界線が、あなたのバウンダリーになります。
自分のバウンダリーを維持する秘訣
適切なバウンダリーを設定した後は、維持することも大切です。
バウンダリーを維持する7つの秘訣をお伝えします。
- 自己肯定感を高める
- 大切なことを先に予約する
- 「No」と言える練習をする
- 自分で選択する
- 課題の分離を意識する
- 伝え方をやわらかくする
- 自分を許す
詳しく説明しますね。
自己肯定感を高める
適切なバウンダリーは自分軸で生きているからこそ設定できます。
そして、自分軸で生きていると、自己肯定感は高くなってきます。
逆にいえば、自己肯定感を高める行動をすれば、自分軸で生きることになり、適切なバウンダリーも維持できる、というわけです。
自己肯定感を高める方法は。こちらの記事をどうぞ。




大切なことを先に予約する
あなたが大切にしたいことは、先に予定に組み込んでしまいましょう。
たとえば、
- 今日の仕事帰りは、前から気になっていたパン屋へ絶対行く
- 次の休みは、部屋の片付けをする
- 来週の日曜日は、1年振りに再会する友人とランチする
- 寝る前の30分は手帳タイムにする
など、自分が大切にしたいことや大切な約束は、予定の最優先事項に決めてしまいましょう。
他の予定が入りそうになったら、「今日はNo」ということを伝えます。
あなた自身があなたとの約束を守ることは、ブレない自分軸で生きていくために大切になります。
「No」と言える練習をする
自分の気持ちや価値観と照らし合わせた時、「嫌だな」とネガティブな感情が浮かんだら、「No」と言ってみましょう。
- 気の進まない飲み会
- キャパオーバーになるのが目に見えている仕事のカバー
- 正月に必ず実家へ帰らなければならないという思い込み
断ることは、相手を傷つけることではなく、自分の時間や感情を守ることにつながります。



きっぱり「No」の意思を伝えることが大事ですが、伝え方はやさしくしましょうね。
自分で選択する
「大切なことを優先する」「Noという」と伝えてきましたが、大切なのは「複数ある選択肢の中から、自分が納得した選択をする」ということです。
先ほどの例でいえば「仕事帰りに気になるパン屋へ行く」と決めたとします。
しかし、そこへ気になっている憧れの先輩から飲みに誘われました。
この場合、あなたの気持ちでパン屋へ行ってもいいし、先輩と飲みに行ってもいいんです。
「Yes」か「No」か自分で決めていい、ということを頭にい入れておいてくださいね。
課題の分離を意識する
責任の所在はどこにあるのかを明らかにすることは、心を守る上で重要です。



アドラー心理学の「課題の分離」は心に興味のある方なら、聞いたことがあるかと思います。
自分の人生は自分のものであるように、他者の人生は他者のものです。
それぞれの人生には、おのおのが責任を持つしかありません。
そこを過剰に踏み込みすぎると、自身の心の疲弊や、相手との関係に軋轢が生まれたりして、上手くいかなくなります。
たとえば、かなりわかりやすい例を挙げると…
テスト前に勉強をせず、遊んでいたAさんに、あなたが「勉強した方がいいよ」と言ったとします。
あなたの助言で勉強をするかしないかはAさんの問題です。
もし、真面目に勉強をしなかったAさんが赤点を取りまくっても、それはあなたの責任ではないので、気に病む必要はありません。



と、言うことです。
参考:「課題の分離」が導く人間関係の築き方|医療法人社団平成医会
伝え方をやわらかくする
あなたの嫌なこと、価値観にそぐわないことを相手に伝えることは、相手を否定することでも傷つけることでもありません。
だから、相手に伝えることはOKです。
ですが、言い方によっては、相手が否定されたと感じたり、傷つく可能性もあります。
なので、自分の感情や意見を伝える時は、やわらかさを意識しましょう。
「〇〇されると嫌なんだけど!!」
「〇〇は私の価値観に合わない」
ではなく、
「△△をされたら、傷つくな」
「△△だと嬉しい」
と、やわらかく伝えることを心がけましょうね。
自分を許す
バウンダリーを引くことは、他者に冷たくすることでも、ワガママになることでもありません。
先ほども説明しましたが「自分を守り、相手も尊重する」大切なものです。
何度か話に挙げていますが、伝え方をやわらかく、「あなたのことも尊重しているよ」が伝わるようやさしく伝えれば、win-winの関係を築けます。
適切なバウンダリーを設定できた私の体験談
物心ついた頃から生きづらさを感じていた私は、若い頃はバウンダリーが曖昧で自己肯定感も低く、大変なありさまでした(笑)
そんな私も、自分を見つめ直したら若い頃よりはだいぶ生きやすくなったと実感しています。
人間関係が下手クソで自称コミュ障の私の実体験を一つ紹介したいと思います。
会社員15年以上
私は人間関係に苦手意識を持っていますが、人と関わる仕事をしています。
気づけば、社会に出て15年以上になっていました。
(詳しい年数は年齢がバレるため秘密)
HSPを自覚している私ですが、社会に出てから、(なんとか)ずっと会社勤めが継続できています。
会社勤めと私のバウンダリー
HSPは在宅ワークがおすすめ、自分のペースで働けるフリーランスが良いなどと言われることも多いですよね。
ですが、私の仕事は、職業柄在宅ワークの選択は不可能です。
そんな私が、会社勤めに対して設定したバウンダリーは以下のとおりです。
- 自分の仕事ペースは可能な限り死守する
- 昼休みは1人で過ごし、充電
- 苦手な人との会話は、最低限の連絡事項のみ
- キャパオーバーな仕事は引き受けない
- 残業になってしまったら、残業代を申請する
こんな感じです。
人間関係が苦手、自称コミュ障とはいえ、人が嫌いなわけではありません。
普通のパート主婦ではありますが、社会に貢献したい気持ちはありますし、人の役に立てたら嬉しいのです。
また、私は家にいるのも好きなのですが、育休中、ずっと家にいるのも気が狂うなと感じました。
もし、完全在宅ワークが叶う仕事に変えたら、それはそれで気が滅入る可能性大だと思うのです。
なので、私は適切なバウンダリーを設定した上で、人間関係が渦巻く「会社勤め」の時間も必要なものだと思っています。
心の声を大切に
会社員15年以上と言いましたが、最初から上手くいっていたわけではありません。
今の職場は3つ目で、気づけばもう7年です。
適切なバウンダリーを設定したら、今の職場が一番長く居座っていますね。
社会に出たての若い頃は、自分のことを分かっているようで、ほとんどよく分かっていなかったのでしょう。
やはり、自分の心の声を大切に、自分の価値観を知り自分軸を確立することが大切なんだな~と実感しています。
私の実体験の詳細は、こちらのnoteに書いてあります。
具体的なバウンダリーの設定内容などに興味がありましたら、参考にしてください。


まとめ
HSPが心を守るためのバウンダリーの基礎知識や設定方法、設定したバウンダリーを維持する秘訣を紹介しました。
適切なバウンダリーを設定することは、疲れない人間関係、良好な人間関係を築く上で必須となります。
バウンダリーとは、あなたの領域と他者の領域を尊重するための、見えない境界線のことです。
適切なバウンダリーは自分軸で生きることから育まれ、あなたの価値観が指標になります。
もともと他者との境界線が曖昧になりやすいHSPさんだからこそ、自身の心を守るために適切なバウンダリーを設定しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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