自宅でピアノの弾く時、音がどれくらい漏れているのか、騒音でご近所トラブルにならないか心配はありませんか?
我が家では娘がピアノを習っているのですが、まだご近所さんへの配慮まで気が回らないので、冷や冷やすることがあります。
そこで、ピアノの音でご近所トラブルにならないための方法などを、徹底調査してみました。
しっかりと対策して、自他共に快適なピアノライフを過ごしましょう。
お子さんのピアノ教室で迷っている人は、こちらの記事も参考にしてください。
ピアノを弾いて良い時間は?
さまざまな条件によって異なりますが、私がたくさんの情報をまとめた結果、
朝は9時以降、夜は20時までが常識の範囲
だと考えます。
ただし、以下の場合は更なる配慮や決まり事に従う必要があります。
- マンション(アパートも含む)
- 住宅の密集地
- 市や自治体、マンション内の条例や規約がある地域
一度、お住まいの市や自治体の条例を調べてみると良いですね。
マンションでもピアノを弾いても良いの?
マンションでピアノを弾いて良いかは、管理規約の内容によります。
管理規約に「楽器可」となっていれば、ピアノの演奏は可能です。
しかし、楽器の演奏は可能でも、苦情が来ないという訳ではないようです。
さまざまな人が住んでいるので、気配り・配慮は必要になります。
ピアノの音が迷惑になる理由
なぜ、ピアノの音が迷惑になるのか紹介します。
うるさいことだけが問題になる訳ではない
トラブルになる際、必ずしもピアノの音が「うるさい」から迷惑になる訳ではないようです。
ピアノの練習は、弾けないところや苦手なところを何回も反復練習をしますよね?
率直に言って、下手なピアノの同じフレーズが何回も聞こえてくると、ストレスを感じる人がいます。
また、たとえプロ級に上手なピアノでも、繰り返し同じ曲が聞こえてきたら…やはりストレスになりますよね。
生活サイクルは人によって違う
ご近所さんの生活スタイルは、それぞれです。
たとえば
- 昼間働いているから、昼間はほとんど不在
- 夜勤をしているから午前中は寝ていたい
- 受験生が家で勉強している
- 赤ちゃんが生まれて、ママが育休中
- 高齢で闘病中
こんな感じのご家庭、よくあると思いませんか?
トラブル回避のために、近所にどんな人が住んでいるのか、どんな状況なのか知っておくと良いですね。
このあとにも書いてありますが、日頃のコミュニケーションが大事だったりします。
気付かずに迷惑をかけていることも
演奏者や家族にとってはピアノの音が日常になっていたり、防音対策をしているから大丈夫と思っていたりして、気付かずに迷惑を掛けていることもあります。
たとえば
- 窓を閉めたつもりでも、閉め忘れているところがあった
- 隣家が離れているから大丈夫かと思ったけれど、実は意外と聞こえていた
- 打鍵やペダルを踏む振動が伝わっている
などが考えられます。
ピアノを弾く人や家族にとっては大したことがなくても、できる防音対策はきっちりと行いましょう。
対策を行った上で、実際どれくらい外に音が漏れているのか、家族などに協力してもらい、確認してみるのも良いですね。
マンションに住んでいる人は上下階の住民へも配慮をしましょう。
打鍵やペダルを踏む振動は、特に階下へ伝わりますので、注意です。
低音は想像以上に響くので、音や振動が予想外に漏れている可能性がありますよ。
ピアノの音でトラブルになった時の対方法
まずは、きちんと謝罪をしましょう。
自分のピアノの音で迷惑をかけてしまった事実を受け止め、謝罪の気持ちを伝えます。
菓子折りを持っていくのも良いでしょう。
その時に、練習しても差し支えない時間帯などを聞けると、相手側にも配慮したい気持ちが伝わりますし、実際にかかる迷惑も減らせるので良いですよね。
実際にあった苦情の伝えられ方
どんな風に苦情を伝えられたか、私が調べたものをご紹介します。
- ストレートに直接言われた
- 郵便受けに匿名で手紙が入っていた
- マンションの管理人から言われた
- 回覧板に「楽器演奏の注意事項」が入っていた
だいたいこんな感じのようです。
なかなか近所の人に苦情を言うのって勇気がいりますよね。
賃貸でない限り、今後も長く住み続ける場合が多いので、なるべく穏便に済ませたいものです。
真摯に受け止めましょう。
日頃のコミュニケーションが大事
なんだかんだ、ご近所さんとの日頃のコミュニケーションが大事です。
子供がピアノを習い始めました。音がうるさかったら言ってくださいね。
と、挨拶しておくと印象も良いですし、ご近所さんが困った時も伝えやすくなりますよ。
また、ご近所さんがどんな人なのか知っておいて損はないでしょう。
お互い気持ちよく生活したいですよね。
- 見掛けたら挨拶は必ずする
- 同じ小学校に通う子のママとは仲良くする
- 自治会活動(清掃や古紙回収など)には極力参加する
こんな感じで、ご近所の人とはお互いに顔を知り、良い関係を築けるようにしています。
ピアノの防音対策10種類
では、私が考えるピアノの防音対策を10種類紹介します。
ピアノを壁から離して設置
アップライトを設置する場合、アップライトピアノの背面を壁から15cm程度離しましょう。
アップライトピアノの背面は音を響かせる反響板になっています。
ぴったりと壁にくっつけてしまうと、壁に振動が伝わり、振動音の原因になってしまいます。
壁に振動が伝わることで雑音が生じ、ピアノの響きも汚くなってしまいますよ。
参考:【ピアノ】ピアノの設置場所ってどこが良いの?|島村楽器
ソフトペダルを踏んでおく
ソフトペダルを踏んでおくと、音量や響きを抑えられます。
しかし、繊細な音楽表現の練習ができませんし、弾き心地もだいぶ変わってしまうので、長時間・長期の練習にはおすすめしません。
一時的なもの、と考えた方が良いでしょう。
長時間弾き続けない
多少ピアノの音が聞こえてきても気にならないけど、ず~っと聞こえてくることでイライラしてしまうパターンもあるでしょう。
あまり長時間弾き続けない方が、トラブルになりにくいと考えられます。
さらに、人の集中力は30分~40分程度とされ、どんなに頑張っても最長90分程度と言われています。
ピアノを弾いているのがお子さんだったら、もっと短いかもしれませんね。
ダラダラ長時間弾くよりも、集中できる時間で練習した方が、上達につながるでしょう。
娘も私も、どんなに長くても連続で弾くのは40~50分です。集中が続かない、疲れる、そんなに時間が取れない…などが理由です。
参考:勉強に適切な休憩時間と休憩方法【東京大学の実験結果でも明らか】|中部教育ラボ
窓を閉める
ピアノを弾く時、窓を閉めるのは常識です。
お金をかけず、誰でもできる対策なので、必ず閉めましょうね。
本格的にピアノをやりたい、ご近所さんとのトラブルを極力回避したい場合は、二重窓にリフォームするのも手です。
ちなみに一般的な普通の窓は、コンクリートの半分程度の遮音力しかないそうですよ。
一般的な住宅の窓ガラスは25dB(デシベル)の音を遮音する効果があるそうです。しかしピアノは80dB、ff(フォルテシモ)など大きな音で弾く時は、90dBくらい出るそうです。
普通の窓ガラスのみでは、ピアノの音を遮音するのは難しそうですね。他の対策と組み合わせるのが望ましいでしょう。
参考:遮音性能の高い窓はどう選ぶ?サッシの遮音性も大事な理由も|Wellnest Home
ちなみに環境省が掲げる環境基準では、通常の住宅地での騒音は昼間で55dB以下、夜間で45dB以下が望ましいとしています。
防音カーテンに替える
割と低コストでできるのが、防音カーテンの設置です。
大きなホームセンターなどでも手に入りますよ。
大がかりな改修は必要なく、自分で取り付けもできます。
窓をリフォームするより簡単ですね。
ヘッドホン付きピアノで演奏する
ピアノにこだわりがなければ、電子ピアノにすると良いですよ。
電子ピアノなら、簡単に音量の調節ができますし、ヘッドホンを使用して外部への音漏れをほぼ防ぐこともできます。
「電子ピアノは嫌!!生ピアノがイイ!!」という人は、消音ユニットをつけるのはいかがでしょうか?
アコースティックピアノなのに、ヘッドホンをして外に音が漏れないよう演奏できます。
最初から消音ユニット付きのピアノを選ぶか、後付けでも可能です。
消音ユニットを付けても、タッチや弾き心地は、あまり変わらないようですよ。
消音ユニット付きピアノでメジャーなのは、以下の2つですかね。
YAMAHAのSILENT Piano™ (サイレントピアノ)
KAWAIのNOVUSハイブリッドピアノ
防音カーペットやゴム製マット
ピアノの下に防音カーペットやゴム製マットを敷くと、振動の軽減につながります。
特にマンションにお住まいの場合は、階下のご家庭への配慮で導入してみましょう。
また、プラスチックではなく、ゴム製のインシュレーターもあります。
インシュレーターとは、ピアノの足に履かせることによって荷重の分散や振動吸収の効果が得られるものです。
我が家のは安物ですが…インシュレーターとは何か、参考画像です。
防音壁・吸音パネル
壁を替えるとなると大規模な工事が必要かと思ってしまいますが、後付けできるパネルやシートなどもあります。
種類によって、外への音漏れを遮断するもの、吸音して反響を抑えるものがあります。
自宅や周囲の環境を考慮して、最適な機能を持つものを選びましょう。
防音室の設置
自宅のリフォームではなく、防音室を設置する方法もありますよ。
サイズは1畳未満からグランドピアノまですっぽり入るサイズまでさまざまあります。
アップライトピアノ用に設置する場合、2畳以上の広さが必要になります。
防音室の機能にもよりますが、2畳だと120万円~が相場のようです。
びっくりお値段ですね!!
音大を目指す、ハイレベルなコンクールに向けて邁進する時には良いかもです。
レンタル防音室
我が家のような一般家庭に防音室なんて…という場合は、レンタル防音室もありますよ。
楽器・音楽で有名なYAMAHAですと、2畳の防音室レンタルが¥25,000/月くらいから可能です。
レンタル期間が決まっていたり、機能に違いがあったりもしますので、気になる人は情報を集めてみましょう。
参考:音レント|YAMAHA
スタジオを借りる
「どうしても夜に弾きたい」「仕事をしているから夜しか弾けない」という人は、レンタルスタジオを借りるのも手です。
ピアノごと借りられるところもありますので、通勤路や自宅周辺にスタジオがあるか確認してみましょう。
我が家の防音対策と音漏れ具合
我が家のピアノ事情を紹介しますね。
実施している防音対策
我が家の防音対策…実は大したことはしていません。
さきほど紹介した防音対策の中で、我が家が実際にやっているのは以下の通りです。
- ピアノの背面を壁から離す
- 私が弾く時は、ソフトペダルを踏んでおくこともある
- 窓を閉める
- インシュレーターを履かせる
本当に大したことしてないでしょ?
上記の対策だけですが、苦情を受けたことは一度もありません。
それは、我が家の住環境がピアノを弾くのに恵まれているからだと思います。
我が家の住環境
我が家の住環境の特徴を紹介します。
- 住宅地でたくさん家が並んでいるが、多くは子供のいる世帯
- 我が家の3方は畑で家が隣接していない
- 住宅地内の道路は幅がゆったりで、隣の住宅群と距離がある
隣の家と隣接していないのは、ピアノを弾く上でかなりのメリットだと思っています。
我が家の音漏れ具合
最初に示した防音対策をした上で、我が家の音漏れ具合は「敷地内では結構聞こえる」です。
※騒音計測器などは持っていませんので、私の主観なのはご了承ください。
ちなみに我が家のピアノはリビングに置いてあります。もう少し詳しく紹介すると…
- ピアノの背面はリビングと玄関の間にある壁に向けている
- リビングの外側は庭
- ピアノの側面は壁だけど、窓は近い
ピアノの背面の向こう側が玄関なので、リビングの入口や玄関の窓を閉めれば、防音効果が増すかな~と思い ました。
ただし、リビングの窓は近いので、娘がピアノを弾いている時に庭に出ると結構聞こえます。
ですが、畑を越えて隣家の敷地近くに立つと、ピアノの音はかすかに聞こえる程度です。
我が家も隣家も窓を開けていたら、結構音が聞こえちゃうかなとは思います。
ピアノを弾くのに恵まれた環境ではありますが、「もしも」を考えて弾く時間帯に配慮していますよ。
まとめ
ピアノを弾いて良い時間帯や防音対策、ご近所トラブルの回避方法について紹介しました。
ピアノを演奏する時は、演奏する側が周囲に対して配慮をする必要があります。
- ピアノを弾くには9:00-20:00の間が常識の範囲と言われている
- お住まいの市や自治体の楽器演奏に関する規約を確認する
- 可能な範囲で防音対策をする
- 苦情が入った時は真摯に対応する
大好きなピアノを楽しむために、周囲への配慮は欠かせません。
一度苦情が出ると、必要以上に気持ちが萎縮してしまったり、ご近所さんとの関係が悪くなってしまったりする可能性があります。
ですから、最初からきちんと対策をしましょうね。
自分も、周りの人も気持ち良く快適に。ピアノライフを楽しんでください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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